前回の「本人確認書類について①」の記事で、有効中のパスポートがあればそれでOK、その他の場合は、として、基本的な考え方を述べましたが、当記事では、具体的な書類名をすべて列挙しておきます。ご参考にお役立てください。
1.次のうちどれか1点のみで本人確認書類として有効なもの
・有効中の日本国旅券
(失効後6ヶ月以内のものを含む)
・運転免許証
(仮免許証、日本国内で発行された国際運転免許証を含む)
・個人番号カード(マイナンバーカード)
・写真付き住民基本台帳カード
・船員手帳
・海技免状
・小型船舶操縦免許証
・猟銃・空気銃所持許可証
・戦傷病者手帳
・宅地建物取引士証
・電気工事士免状
・無線従事者免許証
・認定電気工事従事者認定証
・特種電気工事資格者認定証
・耐空検査員の証
・航空従事者技能証明書
・運航管理者技能検定合格証明書
・動力車操縦者運転免許証
・教習資格認定証
(猟銃の射撃教習を受ける資格の認定証で公安委員会発行のもの)
・合格証明書
(警備員に関する検定の合格証で公安委員会発行のもの)
・官公庁発行の身分証明書
(写真が貼ってあるもの)
・独立行政法人の身分証明書
(写真が貼ってあるもの)
・特殊法人の身分証明書
(写真が貼ってあるもの)
・地方独立行政法人の身分証明書
(写真が貼ってあるもの)
・官公庁の共済組合の身分証明書
(写真が貼ってあるもの)
・写真付き身体障害者手帳
(写真貼替え防止がなされているもの)
・運転経歴証明書
(交付年月日が以降のもの)
2.2点あわせて本人確認書類として有効とされるもの
・健康保険被保険者証
・国民健康保険証被保険者証
・船員保険等被保険者証
・後期高齢者医療被保険者証
・共済組合員証
・遠隔地被保険者証
・任意継続健康保険証
・自衛官診療証
・国民年金手帳(証書)
・厚生年金手帳(証書)
・船員保険年金手帳(証書)
・共済年金手帳(証書)
・恩給等の証書
・介護保険被保険者証
・印鑑登録証明書と登録印鑑
(申請書裏面の「申請者署名」欄または「旅券名義人署名」欄に署名し押印が必要)
※申請者と同一世帯の世帯主の印鑑登録証明書を本人確認書類として提出する場合には、世帯主及び申請者が記載された住民票が必要。
以上までのもので2点か、
あるいは、
以上までのリストから1点と下記のリストから1点で計2点
・母子健康手帳(中学生以下対象)
- ただし、次の5つ全てが記載されていることが条件
-
- 保護者氏名
- 保護者の生年月日
- 子の出生届出済証明
- 子の氏名
- 子の生年月日
- ・会社の身分証明書(写真の貼ってあるもの)
- ・学生証(写真の貼ってあるもの)
- ・公的機関発行の資格証明書(写真の貼ってあるもの)
- ・失効後6ヶ月以上経過した日本国旅券(帰国のための渡航書を含む)
- ・在学証明書、生徒手帳(学校長印が押印され、身分を証明できるもの)
- ・生活保護を受けている旨の証明書(公的機関が発行したもの)
- ・納税証明書、課税(非課税)証明書(公的機関が発行したもの)
- ・源泉徴収票
- ・雇用保険被保険者証
- ・敬老特別乗車証
-
・高齢受給者証
高齢受給者証1点と保険証1点との組合せは不可。
高齢受給者証1点と年金手帳(証書)1点など、保険証以外のものと組合せて持参する必要がある。 - ・公の機関が発行した資格証明書
- ・旅行業法第12条の6第1項に基づく外務員証
- ・外国人登録証明書(親権者等の場合)
- ・IDカード(米軍人・軍属の家族である身分証明書)
- ・発行者が公の機関ではないが、公的資格を証明する写真付きのもの
- (例:行政書士会発行の写真付き身分証明書)
- ・身体障害者手帳(写真貼替え防止がなされていないもの及び写真無しのものも可)
- ・療育手帳
- ・有効な外国旅券
- ・写真付きキャッシュカード
- ・写真付き通行証
- ・運転経歴証明書(交付年月日が以前のもの)
【 雑 感 】
かつて所属していた金融機関等ではKYC=Know Your Customerなどと言っていた本人確認ですが、旅券を得るための本人確認書類の数の多さと多様さを見るにつけ、感心するというか、勉強になるというか、そんな思いです。公的資格リストとしても多様にして壮観です。
KYC業務に携わった経験の有無に拘わらず、「運転免許証で良いだろう」というのが早計なのは、このリスト自体を見れば良く分かると思います。
むしろ、運転免許をあえて取らない若い方が増えているとも聞きますし。ただ、逆に言うと、若い方で学生証や社員証しかない、という方は運転予定の有無はともかくとして1点運転免許を早めに取っておくというのも有用かな、というのが上記リストを見ていてわかると思います。
最後に、これらの本人確認書類の原本を提示してせっかく取得したパスポートなのに、「所持人記入欄」が空白、あるいはかなりいい加減、適当な殴り書きのために、金融機関等のKYC資料として認められずに却下されるようなことがないように気を付けてください。
運転免許証並みに万能で「強い」本人確認書類であるパスポートは正確に記載された「所持人記入欄」あってのもの、と理解しておいた方が良いと思います。
※重要な付記
なお、新型2020年旅券、つまり新パスポートにおいては、この所持人記入欄がなくなりました。
つまり、本人確認書類としての重要要素である「住所記載欄」がなくなるということを意味します。
この場合、本人確認書類としてのパスポートの強さはなくなる、ないし弱くなる、と想定されます。
弱くなる、というのは、具体的言うと、パスポートに加えて住所記載の公的書類もう一点要求される、という取扱いになる可能性が高い、ということです。
本人確認書類の世界というのは、基本にして奥深い世界だと改めて考えさせられる新展開だと思います。
また何か発見がありましたら、ブログにて気軽に発信してみたいと思います。